企業合併について
合併を行う場合の方式の法的分類としては、吸収合併と新設合併の区別がある。
吸収合併とは、合併の当事者となる会社のうちの一つの会社を存続会社として残し、その余の会社の権利義務を存続会社に承継させて消滅させるものをいう(会社法2条27号)。例えば、A社とB社が合併するケースで、A社がB社の権利義務を承継し、B社は消滅することになる。ここでいう存続とは法人格の存続をいう。但し、特例有限会社は会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第87号)第37条の規定により吸収合併存続会社となることはできない(この為、特例有限会社同士の吸収合併もできない。)。
新設合併とは、合併の当事者となる各会社を解散して、新たに設立する会社に全て承継させる方式をいう。
実際の企業合併では、吸収合併によることがほとんどである。これは、新設合併は、株式上場企業の場合には改めて上場申請を要することや、銀行など許認可や事業免許を要する業種では、新設会社による許認可や免許の再取得が必要となるなど、事務手続きの処理が非常に煩雑となることが理由とされる。
銀行や航空会社で新設合併となった例は、政府の政策が主導となって合併したものであり、銀行や航空会社が合併当事者間で新設合併を行うのは、免許の再取得における煩雑さもさることながら、免許取得が既存法人に対して行われかつその手続きに日数を要するため、物理的に不可能である。
合併後の商号(会社の場合は会社名)は自由に変更することができるため、存続会社の称号が使用されるとは限らない。合併後の商号については、合併前のいずれかの社名を使用する場合(主に事業規模や知名度の大小関係に大きな差がある場合)、旧社名の一部や全部を合体させる場合、全く新しい名称を採用する場合に分けられる。
また、商号の変更が可能であるから、商号の存続(その本質としては事業規模や知名度の大小関係)と、法人格の存続とは必ずしもリンクしない。存続法人が消滅法人の使用していた商号を継承する場合もある。その場合は、形式上は存続会社の法人格が存続しているが、外観上や実質上は消滅会社が存続していることになる(下記の「逆さ合併」も参照)。
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